障害年金を受給することのリスクはあるのか
1 障害年金受給に関するリスク
障害年金は年額数十万円、配偶者や子の加算がある場合方や過去の厚生年金保険料の納付額によっては年額100万円以上を受給できる場合もあります。
そうした受給額のメリットがあるため、可能性のあるいくつかのマイナス要素を考えて申請を行わない、と考える方は非常にまれです。
とはいえ、一切のデメリット、リスクがないともいえませんので、いくつかご説明いたします。
2 受給できなくなる給付がある
障害基礎年金を受給することによって、年金制度からの別の給付である死亡一時金と寡婦年金がもらえなくなる可能性があります。
死亡一時金とは、国民年金保険料を3年以上納付または免除され、障害基礎年金または老齢基礎年金を受給したことがない方が亡くなり、さらに遺族基礎年金も支給されない場合に、一定の遺族に一時金として支給されるのもので、多くて30万円程度です。
1年分の障害年金の額の方が高いため、死亡一時金の受給可能性を残すために障害年金申請を控える理由はあまりないと思います。
寡婦年金は、婚姻期間が10年以上で、国民年金保険料を10年以上納付または免除された夫が亡くなった一定の妻にしか支給されず、受給期間も60歳から65歳までの5年間に限られ、支給額は夫が受給するはずだった老齢基礎年金額の3/4です。
これに対して、夫自身が2級の障害基礎年金を受給すれば、その金額は、国民年金保険料を20歳から60歳まで納めた満額の老齢基礎年金と同額となります。
障害年金を短期間しか受給できなかった場合には、トータルでは寡婦年金の方が受給額が多くなる可能性も否定できませんが、受給するためには上記の条件が必要であるため、総合的には障害年金を受給する方が有利な場合の方が多いといえます。
3 社会保険の扶養から外れる場合がある
障害年金は、社会保険で家族の扶養に入れるかの判断においては、収入として評価されます。
そして、年収が180万円を超えると扶養から外れるため、国民健康保険料の納付義務が生じ、配偶者の扶養から外れる場合には国民年金保険料の納付義務も生じます。
障害年金だけで扶養を外れる額に達することは多くありませんが、パートの給与等、他に収入がある方の場合、合算して180万円を超えれば扶養から外れることになります。
4 国民年金保険料の免除を受けると老齢基礎年金の受給額が減る
障害年金で2級以上に認定されると、収入とは無関係に、国民年金保険料の納付の免除を受けることができます(法定免除)。
法定免除された月は、障害基礎年金の額について、納付した月の1/2しか反映されないため、65歳から受給できる老齢基礎年金の受給額が減ることになります。
これを避けるために、法定免除を受けない選択をすることもできます。
免除を受けるか否かは、65歳になった時に引き続き障害基礎年金を受給することができるか、免除された保険料の額と老齢基礎年金が減らされる額との比較といった観点から検討する必要があります。
























