うつ病と障害年金３級

障害年金におけるうつ病の障害認定基準は、以下のとおりです。

【１級】

　高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの。

【２級】

　気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり又はひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの。

【３級】

　気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したり又は繰り返し、労働が制限を受けるもの。

⑴　厚生年金への加入

　障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金の２種類があります。

　このうち、障害厚生年金は１級から３級まであるのですが、障害基礎年金には１級と２級しかありません。

　そのため、障害基礎年金の場合は、うつ病による障害の程度が３級に相当するものであったとしても、障害年金を受給することができません。

　障害厚生年金が支給されるためには、初診日（障害の原因となった病気やケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日）の時点で厚生年金に加入していたことが必要となります。

⑵　障害の程度

　上記のとおり、うつ病の程度が「気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したり又は繰り返し、労働が制限を受けるもの」に達している場合に、３級と認定されるのですが、障害がこの程度にまで達しているか否かは、主に主治医に作成してもらう診断書によって判断されます。

　その診断書には、日常生活能力（適切な食事、身辺の清潔保持、金銭管理と買い物、通院と服薬、他人との意思伝達及び対人関係、身辺の安全保持及び危機対応、社会性）について医師が評価を記載する項目がありますので、日ごろから主治医に日常生活状況についてしっかりと伝えておくことが重要です。

⑶　就労について

　また、現に仕事をしている方については、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況、仕事へ生じている支障等を主治医に伝えていただき、診断書に記載してもらうことが重要です。